読んだ本
- 作者: 谷口忠大
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/04/19
- メディア: 新書
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創発システム系の研究室の方で、非常に内容が面白そうに思えたので読んでみた。
このビブリオバトルとは、ラテン語で本を意味するbiblioと対戦という意味でのbattleをくっつけた単語。
以下が公式で示されるルールとなっている。
発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
順番に一人5分間で本を紹介する。
それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2〜3分行う。
全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。
— ビブリオバトル普及委員会、ビブリオバトル公式ルールより
そして面白い点は、5分間というのがきっちり守られるという点と、投票で選ばれるのが発表者ではなく本という点である。
前者は本の説明で4分で終わっても残りの一分間をアドリブで何とかする必要があり、5分を過ぎてしまった場合強制的に打ち切られる。
つまり、うまく時間管理をする必要がある。これは、昨今求められるプレゼン力に通ずるものがある。
言いたいことを必要な時間にまとめあげる力が鍛えられる。
後者では、いかに発表者がその本を面白く魅力的に伝えるかだけが問題であり、あくまで重要なのは本を決めるということである。
サブタイトルからもわかる通り人を通じて本を知り、本を通じて人を知るのがこのゲームの大切な要素である。
この素晴らしい点というのが、普段触れることの少ない(可能性のある)本を面白く紹介してもらえる点、そして本を通じてその人となりがわかるという点である。
アマゾンなどの推薦システムのような協調フィルタリングシステムはその人の履歴などから似た傾向の人が買っている本を中心に推薦するが、こうした推薦システムでは、全く予期しない違う分野の面白そうな本に出合う機会が少ない。そういう意味でもこのビブリオバトルという発想は非常に面白いと思う。
やる機会があればやってみたいね。