読んだ本

東大卒プロゲーマー (PHP新書)

東大卒プロゲーマー (PHP新書)

記事で読んだことあったけど東大卒プロゲーマー「ときど」さんの本です。
ある意味でときどさんのこれまでの自伝に近い本である一方、そこから何を学んできたかという点についてをしっかりと書かれています。

どんなものでも大切なものに「努力」が挙げられると思います。
プロゲーマーは仕事がゲーム、つまりゲームにおける動きやコンボの研究はもはや仕事の一部。

そういうのも踏まえてみていきましょう。


ときどさんは昔から格ゲーが好きでやりこんでいた。
もともと要領のいい方で他人に負けることがあまりなかった(羨ましいですね)
しかし、従兄に格ゲーでボロ負けする。そこで、とてつもない壁を発見するわけですね。センスだけではどうにもならない壁

それ以降格ゲーにドハマりし中高生活をほぼ費やす。一方、勉強はその合間にやる。これが徹底されてたようです。
ほかに趣味がなく合間は全て勉強に費やせるというのがすごいところですね。
その後東大受験するも、時間が足りず落ちる。
この際に格ゲーで培った研究能力が発揮されたそうです。
東大の試験問題を解くにはどういったプロセスを踏むべきか。
どういった問題を解けるようになるべきか。

行き着いた答えは東大過去問に特化することだと。
格ゲーでは勝つために相手を徹底的に分析する。相手のコンボやプレイスタイルののくせであったりなどなど。

それと同様のスタイルで東大の問題の癖をつかみ、東大の問題を解くにはどうするべきかを徹底的に詰めたそうです。
これって何が言いたいかというか、論理的思考とほとんど同じなんですよね。
目的を果たすためにはどうするべきか→細かいサブ問題に分化させる
細かいサブ問題を解決するには→そこを徹底的に解く練習など

このようなプロセスで無事東大に入学

そして、東大の4回生時にある研究者の方の熱意にやられ研究にドハマりする。
このときもまさに格ゲーでの研究と同じ手法で、過去の文献を徹底的にチェックしどういった問題が残っているか、それを解決するのに何を見るべきか 的なことをチェックしたそうです。
そして、その内容を国際学会で発表し無事入賞というガチ研究者コースだった。
が、入試に落ちてしまいその研究室に残れず。
以後やる気をなくし、人生について考える

安定というワードを糧に公務員を目指す。
しかし、プロゲーマーという道の存在を知り、悩む。
周りは「東大を捨ててプロゲーマーとかやめとけよ」という至極真っ当な意見を述べる。当然である。
しかし、ある人が次の発言をする。
「東大を出て官僚になるなんてそれはあなた以外にもできる」
「東大を出て普通のことをやってもそれは『あなたにしかできないこと』ではない

そこでいろんな経緯を踏み、父親の発言で決めることになる。
「好きにやれ」

『わかっていないかもしれないけど、この業界がお前が考える通りに発展していったとしたら『東大卒』の肩書きもきっと、そこで役立てられるはずだよ』

これを機に再びプロゲーマーの道へ。



ある意味で人生論を学ぶような本でもある。
結局人間は今までしてきた経験で形作られる。
そう言う意味では、ゲームをひたすら突き詰めてきた東大卒の彼はプロゲーマーである一方でゲーム界を引っ張っていくファシリテーターとしての役割を求められているのかもしれない。
人生は一回しかないんだから、自分のやりたいことをできる人生でありたいというメッセージが伝わる。

大学のかなり年上の同期からこの前言われたかっこいい発言がある。

『自分のために生きる人生なんてつまんないよね』



生き方は人それぞれだと思う。
だからこそ、自分の人生を見つけるというのが大事なんだと思う。
そう言った意味で人生を模索している人のちょっとした道標になるかもしれない。