風景異化

はじめて聞いた単語でしたが、この前講演されたハナムラチカヒロさんの研究分野だそうです。
大雑把にいうと、普段感じている風景がある瞬間に完全に異なったものになる、そのような現象を風景異化と呼んでいるようです。
講演での例では、ハナムラさんがある山を芸術作品にしてくれと頼まれた際に、自然の風景にいくつか人工物を織り交ぜたそうです。

見た観客たちは最初「どこが芸術作品なの?」と全く分からず探すわけです。しかし、ある人工物に気づいた際に、「もしかしてこの風景全部人工物なの?」となってしまう。
つまり、見る風景が大幅に変わるわけです。
何が面白いかというと、この現象がそんなに珍しいものではないということ。

風景でなくて人の場合だとさらによくあるのではないかな。
例えば、不良の子が何か変わったことをしてる際に「うわ…あいつなんか変なことしてる」と感じていたとする。その子がいじめられてる子を救った後に何か変わった行動をしてるのを見た際には「誰かのために何かしてるのかな?」となったりする。
これの風景版に近い感じですね。
例えば、何気ない学校の風景を何かに見立てる。
闇の閻魔の通り道だとか名づけてみる。するとなんとも思っていなかったその道が薄気味悪くなったり。よくある現象じゃないでしょうか。

こういう変化の際の人間の心理的特性の変化みたいなのは非常に気になるなと思った。